http://www.seichi-tibet.jp/
聖地チベット ポタラ宮と天空の悲報、秘宝じゃなかった至宝だった
そもそも100%中華系の展示会なので、何も期待してはいない。
さんざん寺を壊したり、坊さんを拷問しておいて、
仏像もってきて至宝って言われても。
征服者は被征服者の財宝を思うがままに見せびらかせる、
って、いつの時代の話だ。とか長くなるので
↓こういうのを見ていただくとして、
http://www.seichi-tibet.com/
めったに見られないっぽい仏や菩薩が、
先方から来てくださるのだから、
諸々の経緯を踏まえつつ、拝観にでかけた。
主催に朝日新聞社、TBS。
会場がフジサンケイグループの上野の森美術館。
広告代理店が、読売広告社を含む博報堂グループの大広。
と、メディア系列すべて揃っていて、
このさい波風たてないよう、みんなで泥をかぶりましょうよ、
抜け駆けして何か言うなよ、みたいな
見事なオトナの事情的構図だ。
とくにサンケイは金をもらう側なんだろうな、この場合。
その分、他で頑張ってもらいたいものだ。
さて土曜日ということで、かなりのにぎわい。
会場の狭さが輪をかけて、
巡礼でにぎわうチベットの寺みたいで、ちょっといい。
冒頭にある、チベット文化圏の地図。
『旅行人ノート チベット』を参考にしすぎじゃないか。
こういう学術的にちゃんとしたっぽい展示会なら、
普通は漢語で書くだろ、という地名まで、
チベット語のカタカナ表記で書いてくれていて、ありがたいことだ。
てか、そのまま写しただけだろう。
よせばいいのに、チベット文化圏の境界を線で囲おうとして、
なぜかダルツェド(康定)を除外している。
たぶん地名が漢字で書いてあるから違うと思ったんだろうな。
展示を見始めて、すぐに感じる違和感。
あたりまえだが、仏像にもタンカにも、
カタ(白い布)が1枚もかけられておらず、
灯明も捧げられていない。マニ車もない。
チベット式の敬意の払い方が一切ない。
かといって手を合わせる人がいるわけでもない。
あと、ちゃんと時計周りに順路をつくってくれないと、
気持ち悪いんですけど。
でもここは日本だから、いいですべつに。
そのへんに落ちてそうなツァツァ(お供えもの)も、
チベット人なら五体投地しそうなダライ・ラマ像(ただし1世)も、
同列で、美術品扱い。
という潔い感じが、いかにも俗っぽいお宝展示会で期待通りだ。
ミンドゥリン寺からずいぶん大量にもってきているらしく、
巨大な仏像5体セット、とか、やはりそれなりに迫力。
いまミンドゥリン寺では、その空間は空っぽなんだろうな。
勝手に(しかし合法的に)持って行かれて。
こういうのが日本で見られるとは思っていなかったので、
カタやバター灯明や山盛りになったお布施や、
巡礼たちの唱える真言なんかを妄想しながら
見終える。
え、もう終わりですか?
1400円にしちゃ少なくないか、
と、普通の人は思わないのか心配になった。
(実際は、金券屋に流れている非売品の招待券を分けてもらって1300円で見た)
でも、興味なかったら、お腹いっぱいかもしれない。
チベットの寺の拝観でいえば、
最初のお堂の1階を見終えたぐらいか。
あと2階と3階と、もう1つお堂見た後、ようやく本堂です、
みたいな感じになる、チベットなら。
お楽しみのスーベニアショップ、ていうか、
これはもう純粋にお土産物屋。
チベット製のちゃんとしたハンディクラフト(↓ラムジョワとか)から、
http://lamdowa.hp.infoseek.co.jp/
中国のイカニモな、よくわかんないお土産、
あと、ちょっとオシャレな感じのグッズ、とか盛りだくさん。
日本語の大変お上手な店員さんのテキトーな営業トークも含めて、
意外にネタ満載で楽しめる。
書籍コーナーも思いのほか充実。
『旅行人ノート』とか『チベットで食べる・買う』とか、
あと、季刊『旅行人』の特集号「ラサの21世紀」まで
置いていただいている。ありがとう。
主義主張を超えたお金儲けは最強です。
ダライ・ラマ法王の著書は置けないだろうけど。
写真はポタラ宮ドロップ。ちゃんと佐久間製菓製(だと思う)。
他にポタラ宮クッキーもあった。
さすが広告代理店が絡むと色んなことが実現するなあ。