チベット人作家2人に懲役15年/5年の判決(ウーセルのブログより)
北京在住のチベット人作家ウーセル(唯色)の中国語ブログ『看不見的西蔵』(Invisible Tibet)より、言論を理由に懲役刑を受けた文筆家2人についてのエントリーを(勝手に)ほぼ全訳。正確さや、本来の文学的な格調を求める方は原文でご確認ください。
▼原文
「驚悉両位蔵人作家因言獲罪、被判重刑」(看不見的西蔵 2009/11/17)
▼関連記事(その他の言論弾圧についての以前の記事)
「消えたチベット人作家たち(ウーセルのブログより)」(チベット式)
驚愕。2人のチベット人作家が言論を罪に問われ、重刑を言い渡された。
文/ウーセル(唯色)
本日、2人のチベット人作家が言論を罪に問われて重刑を言い渡されたことに驚き、ここに関心を呼びかけたい。
さらに大勢のチベット人が、司法の不公正かつ不透明な操作によって投獄・重刑を受けるかもしれないし、すでに受けているかもしれない。
強まる一方の弾圧。これがチベットの現実である。
2人のチベット人を簡単に紹介しよう。
1)クンチョク・ツェペル
今年2月26日、甘粛省甘南チベット族自治州マチュ県の自宅で拘束。中国初のチベット族文学のポータルサイト“チュンメー チベット族文学ネット”の創始者のひとり。
彼に対する告発は、ネット上に発表した文章が昨年のチベットでの抗議事件の情報を伝えていたことに関連しているとのこと。現地政府により懲役15年の判決が下された。家族は先週、彼が判決を受ける法廷に呼び出されて、ようやく彼の消息を知ったという。
2)クンガ・ツァヤン(筆名カンニ)
アムド・ゴロク・ルンカル寺の僧侶。ラプラン寺高等佛学院に学んだ。ニェンポユルツェ環境保護協会のカメラマンでもある。20代。
彼はチベット語のブログ上で「誰が真の覚醒者なのか」「誰が真の分裂主義者なのか」「誰が我々を支持しているのか」「チベット転生活仏の責任」「ラサはすでにラサではない」「中国は尊者ダライ・ラマを尊重すべきだ」「チベット人民、我々はエイズの真相をよく知るべきだ」「我々チベット人は、真実の証人だ」などの文章を発表したことにより、今年3月17日、警察によってラプラン寺から連れ去られた。彼は現地政府により懲役5年の判決を受けた。
訳注:
“チュンメー チベット族文学ネット”→http://www.tibetcm.com/
チュンメーは「灯明」の意味。
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