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2009年3月

2009年3月15日 (日)

チベット・アムド地方アバ(Ngawa)小紀行(5)アバの町

「夏また来い。なんでこんな時に来たんだ?」
アバのチベット人に何度も言われた。

Img_1529_sたしかに以前、秋に来たときには、一面麦畑が広がっていて美しかった。今は2月。風景は一面茶色で、午後になると強い風が吹いて寒々としている。夏はきっと緑の草原が広がり、花が咲き、麦畑も青々としているのだろう。

P1010798_sいや、そのことを言ったわけではないかもしれない。この町で僧侶が焼身自殺を図ったことを知っている今となっては、深読みせざるをえない。町で一番豪華な、ニェンポユルツェという聖山の名を冠したホテルは、中国人兵士たちの宿となっており、外国人は宿泊できなかった。

P1010796_sアバ(ンガワ、ンガバ、Ngawa)は、西端にあるキルティ・ゴンパ(格爾登寺)の門前町である。ときどきメインストリートを、兵士を積んだ武装警察のトラックがゆっくり巡回している。中国のどこかからやってきた兵士たち。焼身自殺しようとした僧侶を射った(とされている)のも、こうした白い顔をした若い兵士だったのか。

P1010824_sもうみんな慣れっこになっているのか、街中は意外なほどにぎやかで、穏やかそうに見えた。
腹の具合が悪かったので、市場に果物を買いに行くと、バナナはもちろん、パイナップルやマンゴーも売っていた。市場に連れて行ってくれたチベット人が言った。
「ここで商売してるのは全員中国人だ」

(写真をクリックすると拡大できます)

2009年3月11日 (水)

【イベント】4/11(土)第4回「チベットの歴史と文化学習会」(吉水千鶴子/渡辺一枝/野田雅也)

2008年蜂起をきっかけに始まった「チベットの歴史と文化学習会」。第4回目です。

pdf版のチラシはこちら

第4回「チベットの歴史と文化学習会」
2009年4月11日(土)18:00〜21:00(開場17:45)
文京区民センター 3-A会議室(東京都文京区本郷4-15-14)

第4回「チベットの歴史と文化学習会」
〜ラサの蜂起から50年、チベットの政変から60年〜

■日時:2009年4月11日(土)18:00〜21:00(開場17:45)
■場所:文京区民センター 3-A会議室
    交通 営団丸ノ内線・南北線 後楽園駅徒歩3分
    都営三田線・大江戸線春日駅徒歩1分
    JR総武線水道橋駅 徒歩13分
    http://www.city.bunkyo.lg.jp/gmap/detail.php?id=1754
■参加費:¥600

■参加のお申込み
 当日参加も可能ですが、事前にお申込みいただいた方を優先させていただきます。下記申込みページ(↓)からお申込み下さい。
 参加お申込みページはこちら(http://www.tibet.to/gaku3/)
※定員になり次第締め切らせていただきます。

■プログラム(予定)

(1)講座「チベット仏教の潮流」第2回「仏教のチベット的展開」
講師:吉水千鶴子(筑波大学人文社会科学研究科哲学・思想専攻准教授)

(2)チベット報告「受難ということ」
報告:渡辺一枝(作家)

(3)緊急報告「国境線リポート」
報告:野田雅也(フォトジャーナリスト)

(4)基調報告「Tibet2009 vol.2…チベットの政変から60年」
質疑応答:長田幸康(ライター、I love Tibet! ホームページ 主宰)

●主催:チベットの歴史と文化学習会
●お問い合わせ:e-mail: trb.gakusyuukai★gmail.com
       (★を半角の@に換えて下さい↑)

2009年3月 3日 (火)

チベット・アムド地方アバ(Ngawa)小紀行(4)ツォクチェ王の城

マルカム(バルカム、中国語で馬爾康)はアバ州の州都。大都会だが、意外にチベット服を着ている人も多い。町の中心部から少し離れると、山の斜面の高台に石造りのチベット人の集落が広がっている。

Img_1369_s町から10kmほど東にチョクツェ(卓克基、チベット語で“机”という意味)というエリアがある。8世紀にチベットのティソン・デツェン王に迫害されたヴァイロツァナ師が流された地、というのはおいといて、今、丘の上にそびえるのは「土司官寨」。「土司」という中国語は、少数民族の土着の支配者のことだそうだが、チベット語の説明文に「ギャルポ」(王様、殿様)と書いてあったので、ここは殿と呼んでおく。要は、ツォクチェの殿様のお屋敷、お城である。向かいの丘の斜面には石造りのチベット人の民家が立ち並ぶ。

P1010744_s城は5階建て。外側は堅牢な石造りだが、内側は木造だ。この城はなんと7世紀からここにあるそうだが、もちろん何度も建て直されている。1階から5階まで内部はすべてギャロン・チベット人の文化を紹介する博物館として公開中。一番上は宗教のフロアになっていて、チベット仏教各宗派とボン教の仏像や仏具が、いかにも博物館的に展示されていた。

P1010766_s毛沢東や周恩来が「長征」とかいうご苦労様な行軍の途中ここに滞在したそうで、2階のワンフロアまるごと費やしてあれこれ展示してあった。殿様たちの豪華な部屋に比べて、これみよがしに質素を強調してあるよな、と、何を見ても悪意にしか感じられないのが哀しい。殿は最初、国民党派だったが、最終的には共産党体制に馴染んで、後にアバ州の副知事だったかになったそうだ。

P1010776_sさて、次はいよいよアバへ向かう。幹線道路沿いの刷経寺という町で食べた中華料理の油が気持ち悪く、その後たぶんそのせいでずっと腹の具合が悪かった。アバは標高3200mという低地だからと油断していたら、思いっきり高地適応に失敗して、飯は食えないは頭は痛いはという状態に陥った。情けない。

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