「兵士が僧侶に変装!?」例のあやしい写真について
あるサイトに思わせぶりに掲載されたのをきっかけに、あっというまに世界中に広まった「兵士が僧侶に変装!?」な写真。
ちょうど↓みたいなニュースが流れたタイミングとぴったり合ったこともあり、
「兵士が僧侶変装」ダライ・ラマ、中国関与の可能性示唆(asahi.com)
ほーら、やっぱりやってたよ、動かぬ証拠だ!
と釣られかかった方も多いはずだ。
が、この写真は以前からあった。
元々の写真の出所とされるTCHRD(チベット人権民主センター、亡命チベット人のNGO。ここの2003年の報告書の裏表紙に問題の写真が掲載されていた)にメールで問い合わせてみたところ、
「あれは映画の撮影シーン。
僧侶が協力を拒んだので、彼らが袈裟を着て撮影した」
と明快な返事が来た。
現在、件のサイトにも、その旨が加筆されている。
あと、中国政府と対立関係にある宗教団体系のサイトに、
中国当局が騒ぎを煽った決定的証拠ふうの写真・記事が掲載されている。
初期の写真に写っていた人物が、ある時期から削除されたというやつ。
とても事実っぽいんだが、自信がない。
どこか別の新聞か何かが、写真から削除された偽装チベット人をラサで見たと証言した人(タイの華僑女性)に取材してくれないかなあ、可能ならば。
公安等の当局者が僧院に潜り込んでいるというのは、
チベットではよく聞く話だ。
騒乱を煽ったというのは、過去にはあったと聞いているし、
今回も、あったかもしれない。
限りなく、あったと思う。
でも並大抵のことじゃ証明できない。
動かぬ証拠がほしい。
虐殺を証明する衛星写真があるんなら、早く出してくれよー。
なぜ出さないんだ?
誰かが何かの交渉に使ってるのか?
隠してる間に、どんどんチベット人が捕まってくんだよ。
もともと何もないから出せないんじゃないのか?
と中国人に言われて反論できないのが悔しい。
そんな気持ちから、うっかりこの種のものに釣られそうになる危険は、
私自身も含めて今後もありそうだ。
中国の“ウソも100回言えば本当になる”式の物量作戦に負けないためには、
継続的・戦略的な対マスコミ燃料投下は欠かせないんだろうけど、
あっちのレベルにつきあって言動のクオリティを下げないよう自戒したい。
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