カモシカ写真を偽造してチベット鉄道を宣伝
中国中央テレビが「記憶に残る報道写真賞」第3位に選んだ青海チベット鉄道(青蔵鉄道)とチベットカモシカの群れを撮影した写真が合成写真だったことが発覚。みっともないとしか言いようがない。
また偽装か、ってことで日本でもそこそこ大きく報道された。たとえば↓
報道賞は合成写真 中国、華南トラに続き(産経ニュース、2008.2.18)
↑が問題の写真だ。[クリックすると拡大できます。以下同じ]
青海チベット鉄道に乗った経験からすると、こうした風景はあっても不思議はない気がする。だからバレないと思ったんだろうか。
カメラマンの劉為強氏は「報道写真として発表したことはない。もともと芸術的にするため加工した芸術写真だ」と言い張っているというが、新華社はこの写真を掲載した記事に「青藏鉄道は野生動物のために生命の道を開く」と見出しを付け、「野生動物の日常生活を妨げないように、33の動物用通路を設けた」(要約)と、なんかすごくイイことしたとでも言いたそうなコメントを寄せて、要は宣伝記事に仕立てた。
↑はすでに削除された新華網の記事(2006.6.27)のハードコピー。
この写真については、もともとネット上で「合成疑惑」があったそうだ。
←は「三大疑点」を指摘した記事。
チベットカモシカ(チルー)は、北京五輪の5匹のマスコットのひとつとして徴用されており、中国はチベットの自然を守ってます!の象徴的な存在としてライセンス料稼ぎに貢献している。
←チルーの迎迎。ゲーゲーではなく、インイン。
こちらは亡命チベット人が5月に独自に開催する「チベタン・オリピック」のマスコット(?)。当然ちょっと怒ってる感じだ。ちなみに聖火は今ごろ台湾にあって、3月には東京にも来る予定。
→Tibetan Olympics 2008のサイト
ちなみに青藏鉄道、風景はほんとにキレイで野生動物もたくさん見られるのは確か。けど、延々こういう(←)絶望的な風景が続いたりもして、本当は何をやったんだ、この人たちは、という暗い気持ちにもさせられる。
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