環境保護に熱心な中国。チベット人遊牧民10万人を強制移住
さすが来年にオリンピックを控えた国、環境保護に熱心に取り組む姿勢を大々的にアピールしたいようだ。
中国は、青海省に住むチベット人遊牧民10万人に対して、草原から都市部へ移住するよう命じた。理由は環境保護のため。すでに3万人が移住済みで、2010年までに10万人の移住が完了する予定。
☆このエントリーは10/6に加筆改訂しました☆
中国は、青海省に住むチベット人遊牧民10万人に対し、草原から村落・都市へ移住するよう命じた。
過放牧による砂漠化が進む草原の環境回復・保護のためだという。
年内に6万人が移住させられ、2010年までには10万人の移住が完了。
最初に報じたのはたぶんBBC↓
China to relocate Tibetan nomads(BBC NEWS、2007/10/02)
ちべ者さんの探してくれた中国側の記事↓
三江源牧民渇望生態移民(新華網2007/09/17)
これとほぼ同じ内容の日本語の記事が↓
三江源の蔵族の遊牧民が町に移住(人民網日文版2007/09/12)
これによると移住はすでに2005年から始まっていて、もう3万人以上が移住し終えたとのこと。
国際人権団体ヒューマンライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)は途中で気づいたらしく、現地調査をしてチベット自治区や四川省も含めた詳細な報告書を作成。↓
“No One Has the Liberty to Refuse”(Human Rights Watch、全文読めます。英語だけど)
そういう報告書が出たよということは日本でも報道されてたようだ。忘れてたけど。
強制移住で「中国化」進む チベット遊牧民の人権報告 (共同通信、2007/06/18)
移住した遊牧民にはもれなく家と野菜栽培のためのハウスが提供される。
どうせその移住先も、別のチベット人から奪った土地なんだろうな。
万が一本当に初期投資がタダだとしても、農機とか肥料とか電気代とか、ついでに商売もやりませんかとか言って中国農業銀行か何かが金を貸しつけて借金漬けにして最後には家も土地も取り上げられ、結局、移住してきた漢族が住むことになる。同じことは(チベットに限らず)すでにあちこちで起こっているのだから、騙されないよう、だれか教えてあげてほしい。
そもそも遊牧民に農業をやれというのが無茶な話だが。
根性のあるチベット人は、モグリの遊牧民になって、
ヤク肉やバターの密売で荒稼ぎしてほしい。
ちなみに多くのチベット人は、チベット高原の温暖化は中国人の増加と無秩序な資源採掘のせいだと信じている。
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