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2007年7月

2007年7月14日 (土)

外国人のチベット入域管理を強化?(許可証発行システムが変更)

チベット入域許可証の発行システムが7月から変更になった。一言で言うと「時間がかかるようになった」という、ありがたくない変更。外国人に対する管理を強化しようという方針の現れだろうか?


中国には、許可を取らなければ外国人が入れない地域が少なくない。なし崩し的に自由にはなってきているものの、何を見られたくないのかチベット自治区については入域する時点でまず許可証(パーミット)が必要となり、数カ所の大都市を除いて、さらに別の許可を取らねば旅行できない。

Ttbpermitチベット自治区の入域許可証(通称TTBパーミット)は、チベット自治区旅游局(TTB)という役所が発行している。公式には、外国人がチベット入りするためには必ず許可証取得が必要。陸路でチベット入りする一部のバックパッカーを除いて、旅行会社が勝手に許可証を取得してくれるので、普通は意識する必要はない。手数料はツアーやチケットの代金に上乗せされている。
[写真は許可証の実物(旧フォーマット)。クリックで拡大]

チベット自治区旅游局はラサの他、北京、上海、成都に(他にもあったかも)事務所を設けており、6月まではそれぞれの事務所が許可証を発行する権限を持っていた。しかし、7月から、支局(というのか)は許可証の扱いを止め、ラサの旅游局だけが発行できるようになった。また、有料だったのが無料になった。

自治区旅游局による公告(中国語)6/28付(中国西藏信息中心)
同じく(英語)

たとえば成都の旅行会社で、成都→ラサの航空券を手配する場合、これまでは成都の旅游局で許可証を発行してもらって、航空会社でチケットを買っていた(はず。許可証の現物がなければチケットは買えないのが建前)。
しかし、7月からは、ラサの旅游局に申し込み、許可証の現物がEMSで届いてからチケットを買うことになる。郵送の時間+チベット的のんびりペースで、これまでよりも、待ち時間が長くなる見込みだ。
ちなみに、たしか2001年頃までは、こういうシステムだった。5年ほど逆戻りしたわけだ。

現地ではチョモランマでデモられてしまった事件の影響ということになっている。
許可証が形骸化して、金さえ払えばどんどん外国人を入れていたため、チェックがおざなりになり、ああいうお粗末な事態を招いてしまった、ラサで一元管理しようよ、ということか。

といっても、今までだって、旅行会社、旅游局、航空会社がそれぞれ儲けるため、抜け道だらけだった。新システムでも、きっと何かうまいことやって三方丸くおさまるような仕組みに落ち着くのだろう。あるいは話がついているからこそ新システムに移行できたのかも。

許可証については「2007年に廃止になる」「2008年に廃止になる」と、かなりもっともらしい噂が流れていたが、これでまた廃止への望みは絶たれた。
中国にしてみたら、中国人旅行客だけでチベットは十分潤うんだから、余計な面倒を持ち込みかねない外国人なんて来なくて結構ということなんだろう。オリンピックも控えていることだし。

2007年7月 6日 (金)

中国の武装警察が、チベット最古の僧院で仏像を破壊

今日はダライ・ラマ14世の誕生日だというのに悲しいニュース。
チベット最古の僧院サムイェ寺の高さ約9メートルの仏像を、中国の武装警察が破壊した。
NGOチベット人権民主センター(TCHRD) が第一報を伝えた。

Colossal Guru Rinpoche's statue demolished in Tibet: China's new religious affairs regulations for "TAR" entered into force(2007/6/4)

Satue_demolished_tchrd破壊されたのは、チベット最古の僧院サムイェ寺のグル・リンポチェ(インドの聖者パドマサムバヴァ)の像。中国広東省の2名の漢族信者から約80万元の寄進を受けて建立されていた途中で、ほぼ完成していたという。高さは約9メートル。
5月半ば、人民武装警察の部隊がやって来て仏像を破壊し、破片(金・銅メッキ)をどこかへ持ち去った。
[写真は1月に撮影された、壊される前の仏像(上記TCHRDのサイトより)。クリックすると拡大できます]

Statue_demolished1チベット自治区では今年1月から、宗教に関する新しい法令が施行されており、この仏像破壊は
「宗教組織や宗教施設に所属していない団体や個人は、目立つ仏像や仏塔、施設を許可なく作ってはならない。作った場合は破壊してよし」(意訳)という条項に則っているそうだ。
[写真はラサの寺院に残る壊された仏像の破片(記事とは関係ありません)]

Statue_demolished2サムイェ寺といえば8世紀に建てられたチベット最初の僧院。敷地全体が巨大な立体マンダラを模していることで知られる聖地であり、パッケージツアーのコースにも入っていることが多い。
仏像があった場所は記事からはよくわからないが、そう広い場所ではないので、上の写真でだいたい見当がつきそう。
左の写真は同じサムイェ寺の本殿内にある忿怒の形相をしたグル・リンポチェ像だ。チベット人に最も親しまれている尊格のひとりだが、怒らせたら怖そう。

話が違うが、外国人がチベット自治区に入るのに必要な入域許可証の発行システムが変わったそうで、
ますます自由な旅行がしにくくなりそうである。
ここ数年規制が緩みっぱなしだったのだが、
チョモランマでデモられてしまった事件が効いたらしい。
この件はまたあらためてお伝えするかもしれない。

というわけで、今年チベットで災いが起こったら、コレのせいってことになるだろう。
もしかしたら、見えないところで、すでに着々と起こっている最中なのかもしれない。

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