チベット人が「聖山」伐採に反発。亜丁自然保護区が閉鎖に
中国四川省南部の景勝地、亜丁自然保護区で、地元のチベット人が聖山と見なしている山の森林を、県政府が観光開発のために伐採。チベット人数百人と作業員の衝突が起き、自然保護区が閉鎖された。
香港の人権団体の情報をもとにした元記事はこちら↓
チベット族、「神の山」伐採に反発=衝突騒ぎで保護区閉鎖−中国四川省(北京発時事2007/06/15-17:28)
四川省稲城県、なんて漢字で書かれているとまるで昔から中国だったかのような勘違いを誘うが、
もともとはチベット・カム地方の一部。
記事中にある山の名前「仙乃日山」も、
変な漢字をあてられてしまっているが、
チベット語でチェンレーシ(現地訛りを音写して仙乃日と表記)、
つまり観音菩薩のこと。
亜丁(チベット名はニェテン)は、観音・文殊・金剛手という
チベットで人気の3菩薩を象徴する3つの山を中心とした聖地だ。
[写真はどっかのチャイナのサイトから適当に拾ってきた亜丁のよくある風景]
九寨溝に続けとばかりに近年観光開発に邁進してきた亜丁だが、記事によると今回の森林伐採は「ロープウエーとホテルを建設する」ためだという。
そりゃあたしかにチベット人もこれまでさんざん木を伐りまくって、巨木をふんだんに使った立派な屋敷を建ててきた。
が、1998年だったか、下流の長江で起こった大洪水を機に政府に禁止されて伐るのを(できるだけ)止めたし、
まして聖山には、指図されなくても(おおむね)手をつけなかったものだ。
[写真は東チベットのチベット人の家。石造り+ログハウス風]
当局は6月12日に亜丁自然保護区を閉鎖。
観光客は入れなくなった。
ただそれで一番困るのは、地元のチベット人だろうけど。
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