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2005年9月17日 (土)

チベット人数百人が食肉処理場を襲撃。動物を逃がしてから放火@中国四川省

中国四川省で、数百人のチベット人が食肉処理場を襲撃し、放火した。もともと大規模な処理場そのものへの抵抗感があったうえ、安値で家畜を買い叩こうとしたため反発を呼んだらしい。

アメリカのアジア向け宣伝放送ラジオ・フリーアジア(RFA)によると、8月初頭、中国四川省カンゼ(甘孜)チベット族自治州のデルゲ(徳格)県マニカンコにある食肉処理場をチベット人数百人が襲撃した。
襲撃されたのは、四川隆生集団の甘孜隆生美孜髦牛有限責任公司のデルゲ処理場。折しもホースレース(競馬祭)の最中だったため、相当数のチベット人が集まっていたという。

nomads_meat_factory01現地チベット人によると、この企業が相場以下の安値で家畜を売るよう強要したため、チベット人遊牧民たちが怒って工場に押し掛け、中にいた動物を逃がした上で建物に放火した。警察が駆けつけて50〜60人が拘束され、その後ほとんどは釈放されたが、7〜8人はまだ拘留されているらしい。被害額は不明。現地当局者は事件を否定している。
[写真はマニカンコの近く(たぶん)。ヤクがいっぱい]

nomads_meat_factory02この食肉処理場は2004年にできたばかり。
チベット人はヤクや羊などの肉を食べるし(ていうか肉しか食べない)、遊牧民だって食肉は売りたい。ただ、この種の工場タイプの大型処理施設はチベット人には馴染みがないせいもあり、感情的な反発を招いたようだ。漢族が持ち込んだ工場だというせいもあるのだろうか。また、家畜の買値も安いため、チベット人たちはボイコットしていた。
[写真はヤク肉ジャーキー]

地元の宗教指導者であるゾクチェン寺の活仏ケルサン・リンポチェ師と、セルタ佛学院のケンポ・シェラプ・サンポ師が10万元で処理場を買い取ると提案していたが、処理場側は売却を拒否したとされている。

▼元ネタ
Tibetan Nomads Set Fire to Chinese Slaughterhouse in Sichuan (RFA/2005.09.07)

▼カム(東チベット)の男たちを怒らせたら怖い(笑)と歴史に学ぼうシリーズ
青海省でチベット人数千人が“暴動”…“冬虫夏草税”をめぐる役人の汚職に抗議(チベット式/2006.06.03)

▼おまけ(ヤクのYakkinと遊牧民の少年ニマのお話)
4コマ漫画“Yakkin”

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