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2005年8月26日 (金)

32世紀、ダライ・ラマ法王はポタラ宮に健在!(『エンディミオンの覚醒』)

8歳のダライ・ラマ法王が一休禅師の歌を引用して法を説く。相手は謁見に訪れたヴァチカンの枢機卿。西暦で言うと32世紀、惑星“天山”のポタラ宮で。
ダン・シモンズの「ハイペリオン」シリーズの完結編『エンディミオンの覚醒』は、どういうわけかチベットネタが満載だ〜

やっと読めた(^-^;
そもそも「ダライ・ラマ何十何世だかが出てくるSFがあってね」と聞いて、それはぜひ読みたいと思ったのが「ハイペリオン」シリーズ。
が、これが長いのなんのって、
『ハイペリオン』
『ハイペリオンの没落』
『エンディミオン』
『エンディミオンの覚醒』
の4部作あって、それぞれ分厚い文庫本×上下巻。
最初の2作を読んだ時点でダライ・ラマなんて出てこなかったので一旦挫折したのは、いつだったかな。
4作目『エンディミオンの覚醒』の真ん中あたり(第二部)でようやく登場してくれた。

endymion1ものすごく簡単に言うと、今から1000年以上の間に色々あって(^-^; 地球はほとんど放棄された。人類は宇宙に散らばって、人工知性と渾然一体となって多様な進化を遂げている…というSFによくある未来。
で、人類を支配しているのは、なんとローマ教皇率いるヴァチカン。“聖十字架”と呼ばれる寄生体によって、死んでも何度も生き返るホントの“復活”を可能にしている。
けど、その“聖十字架”を、つまり不死を受け容れない辺境の非キリスト教徒の惑星のひとつが“天山”だ。

endymion3天山にはポタラ宮やチョカンがあって、そこは“中国”の中心地らしい。
そして、指導者は、何代目だかはわからないがダライ・ラマ法王、8歳。
摂政レティン・タクタとか、サムディン寺の女活仏ドルジ・パーモとか、ギャロ・トゥンドゥプとか、ツィープン・シャカバとか、ロサン・サムデンとか…おいおい千年前と同じじゃないかみたいな人名が続々登場する。
千年たって別の惑星に移っても、チベット人はやっぱり高地に住んで、チュバを着て、ヤクを手なずけ、ツァンパとモモを食べて、バター茶を飲んでいる。

endymion2チベット仏教はもちろん健在だ。偶像崇拝や儀式が廃れて、より素朴な方向へシフトしてはいるが、やっぱり黄帽派とか紅帽派とかはあるらしい。ゴンパをはじめ、タルチョ、マニコル、チョルテン、各種仏具などの小道具も網羅。
本筋と関係あるんだかないんだか(実はあるんだろうが)登場人物がやけに仏教や東洋思想の蘊蓄を語っていたりして少々くどい。
(ちなみに「訳者あとがき」に東京外大の星泉先生への謝辞の言葉がある)

という具合に、なんだか異常にチベット色(その他の“東洋”色もだいぶ混ざっているが)の濃い『エンディミオンの覚醒』。
ダライ・ラマ法王も案外チョイ役ではなく、ドルジ・パーモ女史とともに、かなり最後のほうまでストーリーに絡んでくるので感心感心♪
チベットネタだから、というだけの理由で読む人がいるとは思えないが(^-^;
基本的には「謎多すぎな娘×娘に恋するボケ系の男、2人の愛と珍道中が人類を救う!」みたいな甘めのお話だし(←なんというモトもコもない言い方…)、“謎解きの巻”なので、前の3作を読んでなくてもストーリーはわかるようになっている、と一応勧めてみたりして(笑)。
1400ページ、達成感ひとしお(^-^;

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