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2005年1月27日 (木)

「チベットに恋した中国人」は純愛?寵愛?掠奪愛?

先週発売の「ニューズウィーク日本版」に「チベットに恋した中国人」という記事が載っていた(1/26号p.64)。ちょっとだけ内容を紹介しておこうと思う。
英語版(International Edition)の記事(1/17号)は↓で全文読める。
A Tibetan Love Affair
http://msnbc.msn.com/id/6803307/site/newsweek/

まずは写真。キャプションが「ブーム到来 中国に翻弄されてきたチベット自治区に中国人観光客が増え続けている」
…内容自体は間違ってないが、チベット自治区と書いてあるわりには、載ってる写真はどう見ても青海省のクンブム寺(タール寺)前にある八仏塔だ。(だよね?)
元の英語版のキャプションは“New faithful: Chinese tourists visit a Buddhist temple in Tibet”。“自治区”なんて書いてない。
そのまま“チベット”とだけ訳しておけば「さすがニューズウィーク。青海だってホントはチベットでしょ?という思いを込めた確信犯的なキャプションだ」と株が上がったものを、“自治区”なんてゆー、みっともない中国擦り寄り用語を付け加えたために中途半端に写真とズレてしまったわけだ。
日本版のセンスに、いきなり萎え(´・ω・`)

気を取り直して、本文はまず、北京育ちの中国人男性(漢族)が四川省セルタ(色達)の僧院[ラルン・ガル寺(五明佛学院)のこと]に入って、すっかり仏教にハマってしまう過程を描く。名前もチベット風に変えてしまったという。
いるいる♪ 僕の知り合いの漢族にも、まさにセルタ通い状態の人がいる。

hanhong次に紹介されるのがチベット人歌手の韓紅[←写真。ハン・ホンと読みます]。チベットローカルではなく全国区で人気の女性シンガーだ。チベット名はヤンチェン・ドルマ。
ちなみに、韓紅は昨年8月25日にラサのポタラ宮前広場でライブを開催する予定だったが、広場の改修工事とかいう理由で実現しなかった。元爆風スランプのファンキー末吉もツアーメンバーとして参加するはずだったのに。

さらに、チベットに入れ込みまくっていることで有名な満州人作家・温普林が書いた本『巴伽活佛』は100万部以上売れたという。また、江沢民が甘粛省の寺院復興のため3600万ドルの拠出を認可したという、あやしげな(笑)エピソードも紹介されている。隠れシンパかもしれないな(なわけないと思うけど)。

中国人がチベットにハマるようになった理由は、
・改革開放政策のおかげで
・自分の意志でチベットへ行けるようになり
・海外からの情報も入りやすくなったうえに
・「毛沢東思想の挫折」で空いた心の穴にうまくハマり
・もともと仏教の伝統があったのも吉
と、まとめられている。

最後に「ダライ・ラマも注目する」と小見出しを立て、
前述のセルタの僧院に中国当局が警戒していることを示しつつも、
こうした社会の変化によって「いずれチベットの自治回復の道も開けるかもしれない」と楽観的に結ぶ。

....だといいけどね(´・ω・`)
中国人の好みに合わせてるうちに、どんどんチベットらしさが薄まって、結局呑み込まれちゃうんじゃないか……ハッキリ敵だとわかった解放軍や紅衛兵の暴力よりも、愛情たっぷりの求愛のほうが始末が悪いんじゃないか……なんて思っちゃうんだけど、考えすぎか?

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