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2004年12月18日 (土)

ギャロン(四川省丹巴周辺)の旅行記@「こけむし」

どの民族もそうだと思けど、一口に「チベット人」といっても地域によって“もともと、どこから来たか”は違う。大雑把に言って、3〜4世紀頃、オリジナルの(というのも変だが)チベット人が西から東へ大移動し、ヤルルン王朝(いわゆる吐蕃)が膨脹した7世紀にもまた大きな移動があった。その間に、もともと住んでいた色々な民族と混ざって、今のチベット人ができたらしい。

チベット高原の東の端にギャロン(嘉絨)とかギャモロン(女王谷の意味)とか呼ばれる地域がある。今の中国風の地名で言うと、四川省の甘孜州丹巴県やアバ州馬爾康県・金川県周辺。ここに住むギャロン・チベット族(嘉絨蔵族)なる人々は7世紀以降に“チベット化”されたと言われている。元が違うのだから、他の地域のチベット人とは顔も言葉も風習もずいぶん違う。

ギャロン一帯はチベット側から見ると東のはるか辺境だが、成都からはかなり近い。最近は道路もよくなって、ちょっとした山奥の秘境として中国人観光客も多く訪れるようになった。有名景勝地である四姑娘山に近いという地の利もあり、地元も観光開発に力を入れているようだ。風の旅行社のツアーのコースにも入っている(来年も入るかな?)ので、よろしくです(笑)。

gyarong_towerブログ「こけむし ohmarikokemshi's place」(by ohmarikokemsy)の「チベット旅行記」のカテゴリに、今年夏の成都〜馬爾康〜丹巴の旅行記がある。“建築”がご趣味とのことで、この旅行記もその種の特殊な目的のツアーの記録。そう、四川盆地からギャロンにいたるこのエリアは、谷間ごとに特徴のある石づくりの立派な建物が見られ、建築好きでなくとも目を奪われること必至。特に丹巴周辺は、建物はもちろん、風景そして女性が美しいことで知られている。さらに、右の写真のような謎の(でもないけど)巨大な石塔があちこちに立っていて壮観だ。

ちなみに、このエリアについては、現地在住の大川健三氏(四姑娘山自然保護区管理局特別顧問)によるサイト「蜀山女神 四姑娘山」「ヒマラヤ横断山脈の女王谷—西南中国の金川流域— 」が詳しいです。写真がキレイです! リンクも充実。
一般に手に入る本でギャロンのことがちゃんと書いてあるのは『チャン族と四川チベット族—中国青蔵高原東部の少数民族』(松岡 正子著、ゆまに書房)しかないだろうなあ。

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