[続報]警官がチベット人僧侶を射殺+草原の仁義
先日アムドのゴロク地方(青海省)で起こった警官がチベット人僧侶を射殺した事件の続報が、Tibet Information Networkから出ています。
TIN NEWS UPDATES 18 October 2004: New details on the shooting of a monk in Golog
事件の細かい経緯が明らかに
↓
・9月の初め、マチェン県のトプテン寺の僧侶3人が、隣のタルラク(達日)県に買い物にでかけた。その中には寺主トゥルク・トンドルの息子ツェリン・ペルもいた。
・夜遅く宿に戻ったら鍵が閉まっていた。従業員が門を開けるのを拒んだため、僧侶一行が騒いだ。
・宿の漢族経営者が警察に電話。警官がやって来て、僧侶らを捕まえて派出所に連行、2日間にわたって拘置。最初の夜、僧侶らは暴行を受けた。
・解放された後、僧侶らは診療所で手当を受けて、寺に帰った。
・経緯を聞いた寺主とケンポ(僧院長級の教師)2人は、負傷した3人を連れてタルラク県に乗り込み、当局と談判して治療費を要求したが、拒否された。
・話し合いの最中、警官(チベット人・漢人のハーフ)が拳銃を抜いて上に向けて一発撃った。
・僧侶のひとりが銃を奪おうとして警官ともみ合ううちに、ツェリン・ペルが撃たれて死んだ。銃弾は目から後頭部に貫通。
・警官は続けて数発発砲。中国人作業員(?)が足にケガをし、ケンポの1人の帽子に当たった。他にもケガをした者がいるという報告もある。
・村にニュースが伝わり、100〜200人の村人がタルラク県に乗り込み、派出所や警察車両に投石するなどした。
・2人のラマ(アムド・ゲシェとトゥルク・テンペ・ニマ)がとりあえず騒ぎをおさめ、話し合いが行なわれた。
村人「あの警官の拳銃2丁をよこせ。人を殺めたら武器を引き渡す。それが草原の仁義だ」
当局「拳銃は国家の所有物だから、それはできない」
村人「ちょっとした騒ぎになるかもしれないが、それでもいいのか?」
(やや意訳ぎみ)
・という話し合いの結果、当局は18万元の賠償金を遺族に支払うことで決着。
・2人のラマと当局は“お互い一定の期間、開戦してはならない”と休戦の約束を交わした。
・こうして、集落どうしなどの争いの時になされてきた伝統的な紛争解決のプロセスに従って事態は一段落。
今度はチベット人高僧に死刑執行か?@中国四川省で、「カムのリタンは反政府ゲリラの本場」と書きましたが、
今回の事件が起こったゴロク地方もまた「先代まではみんな強盗だった」(笑)と言われる威勢のいいチベット人が多いエリアなのでした。怒らせると怖いよ♪
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